IVS 2026 KYOTO · Working Codex
無限夢想家
Scroll I · The Tale · 全15

物語

起業家成長譚 ── 全15

これは、ある起業家のたまごが、再開発地区の東京で発掘され、共同創業の朱印を交わし、京都で阿修羅へと至り、最終的に和解した旧友と並んで、終わらない大群に立ち向かう物語の覚え書きである。 各章には、実際の MV 制作で起こした絵コンテのカット設定資料を綴じ込んでいる。

巻 物
壱 之
第一章 ハニワくん出土 — キーカット
Chapter I — Haniwa Unearthed
第一章
ハニワくん出土
両目に灯る、朱の初心
Chapter I — Haniwa Unearthed
第一章
ハニワくん出土
起 つ

東京のど真ん中、再開発地区の解体現場。古いビルの基礎が崩されたあと、深く掘り下げられた地中から、小さな埴輪が掘り出された。── それが、ハニワくんだった。

ハニワくんは、最初はただの土の人形だった。しかし、地中に眠っていた古墳時代の記憶と、地上に渦巻く起業家たちの熱量に触れて、魂が宿る。

なぜここにいるのか、自分が何者なのかも、彼は知らない。けれど、胸の奥にはひとつだけ強い願いがあった。── <でっかい漢になりたい>。

その願いに導かれ、ハニワくんは京都を目指す旅に出る。

でっかい漢になりたい。

ハニワくん・初心

登場人物 — Appearing in this chapter
舞台 — Stage of this chapter
Tokyo Redevelopment Excavation Zone
LOCATION
東京再開発出土地帯
Tokyo Redevelopment Excavation Zone

ハニワくんが目覚めた、物語の始まりの場所。

第二章 初期バグ虫との戦い — キーカット
Chapter II — The Initial Bug Swarm
第二章
初期バグ虫との戦い
誰も見ぬ、最初の勝利
Chapter II — The Initial Bug Swarm
第二章
初期バグ虫との戦い
試 す

旅立ったハニワくんが最初にぶつかったのは「作ること」の壁だった。自分の道具やプロダクトを組もうとするたび、大量の初期バグ虫が湧き出す。一匹一匹は弱いが、数が多く、行動を何度も邪魔してくる。

ハニワくんは失敗を繰り返しながら、少しずつバグ虫を叩き落としていく。倒すたびに汗が仮面に流れる。組み上がりかけたヌンチャクから、ドローンから、御札から、エラーの記号が無数に湧く ── ERROR / 502 / NULL

ものを作るには、思いつきだけではなく、修正と改善を何度も積み重ねる必要がある ── ハニワくんはそれを、はじめて理解した。

この戦いを通じて、ハニワくんは最初の成長を遂げる。誰にも見せていない、誰も褒めない、ひとつの小さな勝利。

完璧の前に、ひとつずつ。

初期バグ虫 ─ 図鑑 fol. X

舞台 — Stage of this chapter
第三章 ドグーくんとの出会い — キーカット
Chapter III — Meeting Dogū
第三章
ドグーくんとの出会い
二つの仮面、並び立つ
Chapter III — Meeting Dogū
第三章
ドグーくんとの出会い
結 ぶ

初期バグ虫との戦いで疲れ果てたハニワくんは、旅の途中でドグーくんと出会う。土偶の同心円の目を持つ、自分より少し背の高い少年。少し先輩のような存在だった。

ドグーくんは物知りで、観察力があり、ハニワくんに色々なことを教えてくれた。ハニワくんはまず動くタイプ。ドグーくんは状況を見て考えるタイプ。

ドグーくんは、ハニワの掌に朱の印を押した。ハニワも、ドグーの掌に同じ印を返した。半月型の朱印が二つで満月になる ── <契りの印>。共同創業の朱判子。

最初は「色々教えてくれる先輩」だった。しかし二人は、この後の戦いを通じて、ただの先輩後輩ではなく、仲間になっていく。

二人で押し合った、はじまりの朱印。

契りの印 ─ 図鑑 fol. XVI

舞台 — Stage of this chapter
道具 — Items in play
Pact Seal
ITEM
契りの印
Pact Seal

二人で交わした、はじまりの朱印

第四章 フィードバック河童との共闘 — キーカット
Chapter IV — Joint Battle with the Feedback Kappa
第四章
フィードバック河童との共闘
聞ける者が、立っている
Chapter IV — Joint Battle with the Feedback Kappa
第四章
フィードバック河童との共闘
聞 く

ハニワくんとドグーくんは、フィードバック河童と対峙する。河童は、ハニワくんが作ったものに対して厳しい言葉を投げかける。その言葉は、ハニワくんにとっては攻撃のように感じられた。

ハニワくんは落ち込み、反発しようとする。しかしドグーくんは、その言葉の中に改善のヒントがあると気づく。「使いにくい」は改善点。「誰向け?」はターゲット。「何が便利?」は価値の再定義

二人は協力し、河童の言葉を受け止めながら、自分たちの弱点を見直していく。そして、フィードバック河童を倒す。

この戦いによって、ハニワくんとドグーくんの間には友情が芽生える。二人は、共同創業者のような関係になっていく。

聞ける者が、最後に立っている。

フィードバック河童 ─ 図鑑 fol. XII

舞台 — Stage of this chapter
Review Marsh Pond — Dawn
LOCATION
レビュー河童の夜明け
Review Marsh Pond — Dawn

勝利の朝、鏡面の池、3 滴のインク跡、二人去り行くシルエット。

第五章 二人の成長と試練 — キーカット
Chapter V — Growth and the Trial Gauntlet
第五章
二人の成長と試練
連携撃破の一閃、二体同時に砕く
Chapter V — Growth and the Trial Gauntlet
第五章
二人の成長と試練
駆 抜

京都を目指す旅の中で、ハニワくんとドグーくんは、さまざまな敵と出会う。短期的な成果を迫り、独自性を奪い、絆を揺さぶり、規制で動きを縛り、資金と希望を削り、技術が暴走し、見せかけの価値が突きつけられ、人を消耗させ、金で成長できると囁く ── 起業の途上に湧き出るすべての妖怪たち。

投資家の執念が、短期的な成果や成長で二人にプレッシャーをかける。模倣ののっぺらぼうが、二人のアイデアや独自性を奪おうとする。人材流出の鵺が、仲間やチームの絆を揺さぶる。

規制の大百足が、複雑なルールで二人の動きを縛る。資金枯渇の貧乏神が、二人の通帳と希望を干からびさせる。AI 暴走の付喪神が、技術が制御不能になる恐ろしさを見せる。データ泥棒が、二人の積み上げた情報や成果を盗み、価値を歪めようとする。

バブル崩壊の夢幻が、見せかけの価値と本当の価値の違いを突きつける。ブラック労働の餓鬼が、成長のために人を消耗させる危険を示す。顧客獲得コストの金霊が、お金を使えば成長できるという考えの危うさを教える。

二人はそれぞれの敵に苦戦しながらも、協力して乗り越えていく。戦いを重ねるたび、ハニワくんは行動力を、ドグーくんは判断力を磨いていく。やがて二人は、少年の姿から青年の姿へと成長する。

倒すことは、覚えること。

巻末・編者識語

舞台 — Stage of this chapter
Night Train Window — to Kyoto
LOCATION
京都行 夜行列車の車窓
Night Train Window — to Kyoto

少年から青年へ。揺れる窓の外、過去のステージが流れ去る夜。

第六章 青年ハニワと青年ドグー — キーカット
Chapter VI — Youth Haniwa and Youth Dogū
第六章
青年ハニワと青年ドグー
強くなれば、見える景色が分かれる
Chapter VI — Youth Haniwa and Youth Dogū
第六章
青年ハニワと青年ドグー
育 つ

数々の試練を越えたハニワくんは、青年ハニワへ成長する。武器も技も強くなり、以前よりも一人で戦えるようになっていた。ドグーくんも青年ドグーへ成長し、知識や分析力だけでなく、組織や資本、ルールの重要性を理解し始める。

二人は強くなった。しかしその一方で、少しずつ考え方に違いが生まれていく。

ハニワくんは、挑戦し続けることを信じている。ドグーくんは、より大きな仕組みや秩序の力を意識し始める。

この小さなズレは、やがて大きな別れへつながっていく。

強くなれば、見える景色が分かれる。

青年ハニワ・独白

舞台 — Stage of this chapter
The Path of Becoming — Youth Transition
LOCATION
青年化の境界路
The Path of Becoming — Youth Transition

足跡が小から大へ、植生が春から秋へ、姿勢が走るから歩むへ。

Kyoto Arrival Avenue
LOCATION
京都到着大通り
Kyoto Arrival Avenue

町家・鳥居・東山遠景、遠くに小さく阿吽の門。入京の最初の景。

第七章 金剛力士像への挑戦と敗北 — キーカット
Chapter VII — Challenging the Niō, and Defeat
第七章
金剛力士像への挑戦と敗北
挑戦者を試す、守りの剛体
Chapter VII — Challenging the Niō, and Defeat
第七章
金剛力士像への挑戦と敗北
敗 北

京都を目前にした二人の前に、金剛力士像が立ちはだかる。これまでの敵とは格が違った。勢いや工夫だけでは通じない。二人が積み上げてきた力でも、まだ越えられない壁だった。

青年ハニワのヌンチャクと、青年ドグーのヴァジュラブレード。完璧な連携、はずだった。だが阿形の一咆哮で、ハニワは地面に叩きつけられた。吽形の一閉口で、ドグーは石畳の上に膝をつかされた。

ハニワくんとドグーくんは力を合わせて挑むが、敗北する。

この敗北によって、二人は初めて、自分たちの成長だけでは足りない現実に直面する。

挑戦者を試す、守りの剛体。

金剛力士・阿形 ─ 図鑑 fol. VIII

舞台 — Stage of this chapter
Tondemo Kyoto — The Niō Guardian Approach
LOCATION
トンデモ京都・金剛力士の参道
Tondemo Kyoto — The Niō Guardian Approach

地理を無視した架空京都。朱の千本鳥居の大階段を登り、大鳥居の先に阿吽の金剛力士が山門で待ち受ける、第七章の試練の舞台。

第八章 ドグーくんとの別れ — キーカット
Chapter VIII — Parting with Dogū
第八章
ドグーくんとの別れ
向きがすべてを言う、別れの分岐
Chapter VIII — Parting with Dogū
第八章
ドグーくんとの別れ
分 道

金剛力士像に敗れた後、ハニワくんとドグーくんの考え方の違いが表面化する。ハニワくんは、それでも自分たちの力で挑み続けようとする。ドグーくんは、もっと大きな仕組みや資本、組織の力を使うべきだと考える。

二人は言い争い、道を分けることになる。

ドグーくんは東京へ戻り、大企業の側へ向かう。ハニワくんは一人で京都を目指し続ける。

かつて共同創業者のように共に戦った二人は、ここで別々の道を歩むことになる。

守るものが変わったなら、力の形も変わる。

ドグー青年期 ─ 図鑑 fol. V

舞台 — Stage of this chapter
Fork in the Road Before Kyoto
LOCATION
京都手前の分岐路
Fork in the Road Before Kyoto

京都の手前で分かれる道。挑戦と安定のはざま。

第九章 ハニワくんの孤独な戦い — キーカット
Chapter IX — Haniwa's Solitary Battle
第九章
ハニワくんの孤独な戦い
誰も見ぬ夜、独りの巡礼
Chapter IX — Haniwa's Solitary Battle
第九章
ハニワくんの孤独な戦い
独 立

ドグーくんと別れた後、ハニワくんは一人で戦い続ける。その前に立ちはだかるのが、旧態テック幽霊だった。古い技術、過去の成功体験、変わることへの抵抗を象徴する敵。

「前例がない」「うまくいかない」── 廃工場の暗がりから、囁きが続く。

ハニワくんは、ドグーくんの助けなしにこの敵と向き合う。すべてを壊すのではなく、受け継ぐべきものと、捨てるべきものを見極める。技術とは、新しさではなく、更新し続ける意志のことだった。

この戦いを通じて、ハニワくんは一人でも前に進む力を身につける。

倒したいんじゃない。聞かれたいんだ。

青年ハニワ・独白

舞台 — Stage of this chapter
Haniwa's Solo Pilgrimage Road
LOCATION
ハニワ単独修行路
Haniwa's Solo Pilgrimage Road

旧研究所・規制結界・無人休処の連なる東海道。一人の足跡の路。

第十章 機構式東証宮を得る — キーカット
Chapter X — Acquiring the Mechanized Tosho-Gu
第十章
機構式東証宮を得る
上場という名の搭乗甲冑
Chapter X — Acquiring the Mechanized Tosho-Gu
第十章
機構式東証宮を得る
上 場

ハニワくんは、さらなる成長の末に、機構式東証宮を手に入れる。上場と資本市場の力を象徴する、巨大な搭乗甲冑。だが鎧そのものは器に過ぎず、搭乗の権利は儀礼によってのみ授けられる。

神社の千木が頭の上で冠状に伸び、朱の鳥居が背に立つ。株価ティッカーが帯のように胴体を流れ、肩には金の擬宝珠。コクピットには、ちょうど青年一人が座れる空間が空いていた。

搭乗の前に、儀礼は三つの奉納 (デューデリ報告書・財務書類・創業者の魂) を要求する。ハニワは三つを差し出し、儀礼を通過する。承認とともに、頂塔の上場召喚の鐘が一度だけ鳴る。

鐘の音が東京の空に響いた瞬間、機構式東証宮はゆっくりと立ち上がる。ハニワくんはこれまでとは比べものにならないほど大きな力を得る。ここに座るまでの距離が、彼の今までの旅のすべてだった。

上場という名の、搭乗甲冑。

機構式東証宮 ─ 図鑑 fol. XVII

舞台 — Stage of this chapter
Mechanized TSE Palace
LOCATION
機構式東証宮
Mechanized TSE Palace

資本の力を司る、上場という権威がそびえる宮殿。── 同時に搭乗甲冑へ変態する hybrid 存在 (item: tosho_gu_mecha)。

Mechanized TSE Palace — Pacific-Rim Cockpit
LOCATION
機構式東証宮・パシフィック・リム式コックピット
Mechanized TSE Palace — Pacific-Rim Cockpit

機構式東証宮メカの胸部本殿に格納された操縦室。東証宮が脱皮した搭乗甲冑メカ([[tosho_gu_mecha]])の内部にあり、ハニワ青年が主操縦席に着くまでが第十章。

道具 — Items in play
Mechanized Tosho-Gu (Tokyo Stock Exchange Shrine Mecha)
ITEM
機構式東証宮
Mechanized Tosho-Gu (Tokyo Stock Exchange Shrine Mecha)

上場という名の搭乗甲冑

第十一章 大企業メカと市場の荒波 — キーカット
Chapter XI — Corp Mecha and the Market Storm
第十一章
大企業メカと市場の荒波
圧倒の資本、自重で崩る
Chapter XI — Corp Mecha and the Market Storm
第十一章
大企業メカと市場の荒波
圧 倒

機構式東証宮を得たハニワくんの前に、大企業メカ市場の荒波が立ちはだかる。巨大企業の組織力・資本力・ブランド力と、外部環境・競争・評価・変動する市場そのもの。さらにその陰から、規模拡大の重力鬼が現れる ── 組織が大きくなるほど、その重みで潰れていく逆説の権化。

株価砲・チャート剣が機構式東証宮の主武装として展開する。砲身に流れる強気トレンドの光、刀身を波打つキャンドルスティック。大檜ハンマーが、巨大企業メカの胸の弱点を一撃で抜く。蒸気と火花、メカが膝をつく。鳥居シールドが市場の荒波を真正面から受け止め、株価砲がその波頭を割る。

重力鬼の多頭が部門ごとに啀み合いを始めた瞬間、ハニワは敵の内部矛盾を突き、組織図の縫い目から切り崩す。 ── 大きくなり過ぎたものは、内側から崩れる。

ハニワくんは機構式東証宮の力を使い、これら巨大な敵を倒す。かつては到底届かなかった規模の敵を、自分が打ち倒したことを実感する。しかし、この力もまだ完全な答えではなかった。

圧倒的の資本、強撃の優越そのもの。

巨大企業メカ ─ 図鑑 fol. VII

舞台 — Stage of this chapter
Capital Market Battlefield
LOCATION
資本市場バトルフィールド
Capital Market Battlefield

メカと巨大企業の合体戦力が圧されかける場、株価のチャートと評価が乱れ飛ぶ戦場。

Mechanized TSE Palace
LOCATION
機構式東証宮
Mechanized TSE Palace

資本の力を司る、上場という権威がそびえる宮殿。── 同時に搭乗甲冑へ変態する hybrid 存在 (item: tosho_gu_mecha)。

Marunouchi Megacorp Skyline — Conglomerate Mecha Canyon
LOCATION
丸の内メガコーポ摩天楼・巨大企業メカの谷
Marunouchi Megacorp Skyline — Conglomerate Mecha Canyon

丸の内を模した架空の摩天楼。ひし形ロゴのメガコーポ本社が林立するビルの谷間に、巨大企業メカが雲を割って出現する第十一章の空中戦の舞台。

Fuji & Hokusai Great-Wave Harbor — Cherry-Blossom Sea Battle
LOCATION
富士・北斎大津波の港・桜吹雪の海戦
Fuji & Hokusai Great-Wave Harbor — Cherry-Blossom Sea Battle

富士山を背に北斎『神奈川沖浪裏』の大津波が巻き起こる港の海。荒れ狂う波濤の上で市場の荒波と戦う第十一章の舞台。

道具 — Items in play
Mechanized Tosho-Gu (Tokyo Stock Exchange Shrine Mecha)
ITEM
機構式東証宮
Mechanized Tosho-Gu (Tokyo Stock Exchange Shrine Mecha)

上場という名の搭乗甲冑

第十二章 機構式東証宮の破壊 — キーカット
Chapter XII — The Tosho-Gu Broken
第十二章
機構式東証宮の破壊
鎧の限界、その先へ
Chapter XII — The Tosho-Gu Broken
第十二章
機構式東証宮の破壊
崩 壊

ハニワくんは、機構式東証宮の力を携えて、再び金剛力士像に挑む。以前の自分とは違う。資本の力も、実績も、成長も手に入れた。

しかし、金剛力士像はそれでもなお、ハニワくんの前に立ちはだかる。機構式東証宮の力をもってしても、完全には越えられない壁だった。

戦いの中で、機構式東証宮は破壊される。神社の千木が砕かれ、鳥居シールドが内側から畳まれる。神社の鎧は、神社の守護者の前では、ただの建材に戻っていく。残骸の中から、ハニワは黙って一つの歯車の核だけを拾い上げる。これが後の覚醒の媒体になる ── まだ本人は気づいていない。

ハニワくんは再び絶体絶命の状況に追い込まれる。その時、かつてドグーくんと交わした<契りの印>が光り始める。胸の朱が、遥か東京の同じ朱に呼応する。

鎧の限界、そのさらに先へ。

機構式東証宮・破壊の章

舞台 — Stage of this chapter
道具 — Items in play
Mechanized Tosho-Gu (Tokyo Stock Exchange Shrine Mecha)
ITEM
機構式東証宮
Mechanized Tosho-Gu (Tokyo Stock Exchange Shrine Mecha)

上場という名の搭乗甲冑

Pact Seal
ITEM
契りの印
Pact Seal

二人で交わした、はじまりの朱印

第十三章 阿修羅モード覚醒 — キーカット
Chapter XIII — Ashura Mode Awakens
第十三章
阿修羅モード覚醒
六腕に灯る、己の意志
Chapter XIII — Ashura Mode Awakens
第十三章
阿修羅モード覚醒
覚 醒

鎧は砕けた。装備も、資本も、巨大な力も、もう何も残っていない。それでもハニワくんは立ち上がる。最後に彼を起こしたのは、外から与えられた力ではなく、原点から噴き上がる自分自身の熱量だった。

資本でも、実績でも、借り物の装備でもない。挑戦と突破を諦めなかった意志そのものが、内側から形を成していく。記憶が、力に変わる。

腕が左右にもう一対、もう一対、と増えていく。背に 阿修羅光輪、頭上に 火炎冠。── <阿修羅モード>、誰の手も借りず自力で覚醒する。

向かって右に阿形、左に吽形 ── 立ちはだかる 金剛力士・二体 へ、阿修羅は六臂で挑みかかる。忿怒の門番を、ハニワくんは自分の力で打ち破る。

誰かに与えられた力ではない。自分で辿り着いた最終形態。

阿修羅モード ─ 図鑑 fol. III

舞台 — Stage of this chapter
第十四章 阿修羅 vs インドラ ── 和解、そして真の敵へ — キーカット
Chapter XIV — Ashura vs Indra, and Onward to the True Foe
第十四章
阿修羅 vs インドラ ── 和解、そして真の敵へ
互角ゆえに、二人は記憶へ還る
Chapter XIV — Ashura vs Indra, and Onward to the True Foe
第十四章
阿修羅 vs インドラ ── 和解、そして真の敵へ
和 解

金剛力士像の先で、ハニワくんはドグーくんと再会する。しかし、そこにいたのはかつてのドグーくんではなかった。大企業に取り込まれ、秩序と資本と統制を極めた インドラモード ── 雷光と 金剛宝冠、白金の光輪、手にした 金剛杵 (ヴァジュラ)、背に渦巻く雷雲を従えた、仏画から歩み出たような最終形態だった。

「君は混沌から未来をつくる。僕は秩序で未来を支配する。」── 旧友の声は、もう、あの夜の宿で別れた青年の声ではなかった。阿修羅とインドラ、挑戦と統制の二つの極が、京都の空で全力でぶつかり合う。

互いに全力で打ち合ううちに、二人は昔のことを思い出す。初めてバグ虫に苦戦したこと。フィードバック河童に二人で挑んだこと。いくつもの壁を、無茶をしながら二人で越えてきたこと。── 本当に楽しかったのは、勝ったことではなかった。二人で一緒に壁へ挑んでいた時間そのものだった

戦いの果てに、二人は再び心を通わせる。そして気づく ── 本当に対峙すべき相手は、互いではない。すべての企業・資本・市場・承認を司る真の大ボス 寿限無 こそが、終わらせるべき構造だと。和解した二人は、肩を並べて次なる戦いへと出立する。

楽しかったのは、これだった。だから、次は二人で行く。

二人・回想 / 出立の章

舞台 — Stage of this chapter
Tondemo Kyoto — Fallen Niō Path to the Gate
LOCATION
トンデモ京都・金剛力士の屍の参道→大門
Tondemo Kyoto — Fallen Niō Path to the Gate

金剛力士戦の決着後、砕けた阿吽の石の屍が横たわる崩落した京都の参道。買収された冷青の宮殿入口=巨大な大門へ続く、阿修羅の最後の道。

The Cold-Azure Corridor to the Altar
LOCATION
冷青の回廊——祭壇室への道
The Cold-Azure Corridor to the Altar

京都大門の奥、インドラの祭壇室へ続く冷青の石の回廊。整然と並ぶ幾何学的石柱が遠近で奥へ列をなし、暖色を一切許さない秩序の領域。

Co-Battle Recollection Space
LOCATION
共闘記憶の暖色空間
Co-Battle Recollection Space

契りの印が光る時、二人の中で逆再生される回想夢空間。

第十五章 寿限無の出現 — キーカット
Chapter XV — The Coming of Jugemu
第十五章
寿限無の出現
倒しても減らぬ、終わらぬ大群
Chapter XV — The Coming of Jugemu
第十五章
寿限無の出現
顕 現

ハニワくんとドグーくんが和解した後、真の敵である寿限無が現れる。すべての企業、資本、市場、承認、拒否、所有を司る存在。彼はほとんど動かない。ただ、Yes か No を言うだけで、世界を変えることができる。

寿限無の下には、寿限無軍団が存在する。大量の菩薩兵と、ところどころに配置された巨大な如来たち。それは、単なる一企業ではなく、巨大な構造そのものだった。

倒しても、名前のひとくぎりが落ちるだけで、全体は減らない。終わらないことを存在原理とする、真のラスボス。

ハニワくんとドグーくんは、再び並び立つ。かつて別れた二人は、それぞれ別の道を進んだ末に、もう一度同じ敵へ挑むことになる。

終わらない者と、終わらない物語。

寿限無 ─ 図鑑 fol. ∞

舞台 — Stage of this chapter
Jugemu Army Panorama
LOCATION
寿限無軍団パノラマ
Jugemu Army Panorama

無数の如来、菩薩と尊像、阿羅漢の指令を一望する場。

Final Standoff Scene
LOCATION
ラスト対峙カット
Final Standoff Scene

決着の場、寿限無門の前で、すべての流れが集い、終焉を待つ。

Scroll II · The World

世界観

The World — A Field Notebook from Redev-Tokyo to Edo-Kyoto, ∞

一、舞台

時は二〇二六年。物語は、東京の心臓部、ビルが解体された後の再開発地区から始まる。 ここは実在の東京とは少しずれた、地理破壊型の架空東京だ。 日本橋のような場所に、東京タワーとスカイツリーが同時に立ち、国会議事堂と東証ビルが背中合わせに置かれ、高層ホテルと古墳の残土が同じ街区に重なる。 地下には縄文の遺物と未起動のテック装置。地上には IoT 看板とホログラム広告。──「東京っぽい何か」、それがこの街の名前だ。

物語の後半、舞台は京都へ移る。古寺と五重塔、苔むした山門、そして仏教神話の住人たちが、近代スタートアップの試練として擬人化されて待ち構える。 スタートアップは「修行」と呼ばれ、ピッチイベントは「四天王試練」と呼ばれる。市場はのように寄せては引き、組織はのように形を変える。

二、主人公二系統

再開発地区の重機の真下から発掘されたハニワくんは、土色のヘルメットの中に未だ眠る情熱を持つ少年。 路地裏で出会うドグーくんは遮光器土偶を被り、すでに世故にも通じた知恵者。 二人は共同創業の朱印 ── <契りの印> ── を掌に押し合うことから物語を始める。 二つで満月になる半月型の朱印。離れていても呼応し、最後には和解の鍵となる。

  • ハニワの道: 修行・連撃・仲間。少年 → 青年 → 阿修羅。怒りと知恵と慈悲を多腕に宿す。
  • ドグーの道: 観察・契約・統治。少年 → 青年 → 帝釈天インドラ。秩序と権威を司る。

三、試練の構造(ver.4)

道中には六層の試練が用意される。前半は二人で、別離のあとは一人で、そして最後は搭乗甲冑で。

  • 作る苦しみ: 初期バグ虫。プロダクトを作る痛み。
  • 聞く修練: フィードバック河童。二人で乗り越える。
  • 走馬灯の連戦: データ泥棒・先延ばし小鬼・コピーキャット忍者・ピボット狐・燃え尽き女郎蜘蛛。少年から青年へ駆け抜ける 5 体。
  • 独立の試験: 旧態テック幽霊・規制天狗・投資家試問鬼。喧嘩別離のあと、青年ハニワが単独で叩く 3 体の中ボス。
  • 搭乗の段: 機構式東証宮を獲得し、巨大企業メカと市場の荒波を一蹴。── ただし阿吽の門の再戦で、その甲冑は破壊される。
  • 山門の阿吽: 金剛力士・阿形と吽形。一度目は二人で惨敗、二度目は搭乗甲冑で押すが破壊され、最後は契りの印が光って阿修羅が覚醒する。

四、キーアイテム

  • 契りの印: 共同創業の朱印。半月型の対。物語ラストの和解の鍵。
  • 機構式東証宮: 東京証券取引所が神社建築の機構機械として脱皮した搭乗甲冑。上場のメタファー。獲得 → 圧倒 → 破壊。

五、対決のかたち

物語の終盤、ハニワは阿修羅へと至り、ドグーは帝釈天インドラとして相対する。 仏教神話の阿修羅 vs 帝釈天の構図を借りた、修行者と統治者の激戦 ── しかし、勝敗は決しない。 二人の胸の朱印が二つで満月になり、回想が逆再生され、二人は和解する。 「楽しかったのは、これだった」── ドグーは大企業に買収されながらも、スタートアップだった頃の自分を思い出す。

六、真のラスボス

和解した二人が並んで前を向いた瞬間、東山の稜線の上に湧き上がる無数の影 ── <寿限無の大群>。 無限に長い名前を背に連ねた群体。倒しても名前のひとくぎりが落ちるだけで、全体は減らない。 「終わらないこと」そのものを存在原理とする、真のラスボス。 本 MV ではロゴ前のラストカットに登場のみ。続きは次回作にて ──。

七、図鑑のかたち

本資料は江戸の図鑑風(博物図譜・本草学・絵巻物)で記述されている。 紙はセピアに焼け、印章は朱で、注釈は日本語と英語の二段組。 各キャラクターには三面図(正面・側面・背面)、アクションポーズ、装備詳細、色印譜、進化経路が伴う。 これは MV の制作仕様書であり、同時にひとつの偽の古文書として鑑賞されることを意図する。

Scroll II · 補遺

美術指針

Visual Doctrine — Cyber-Jomon × Mecha-Edo

色印譜 / Color Palette

#f4ebd9
紙 / Base
#dbc8a5
紙の影
#8b6845
焦げ茶
#1a1208
墨 / Text
#c1272d
朱 / Hanko
#b8893a
金 / Accent
#495568
藍鼠
#8a9a5b
竹色
#4ea0d6
テック青

様式タグ / Style Tokens

sepia aged-paper backgroundedo-period illustrated compendium stylecyber-jomon / mecha-edo aestheticsemi-realistic 3D character render with painterly texturesbilingual JP+EN labelsIVS 2026 KYOTO ∞ seal small in cornermuted earth palettevermilion + gold accents

IVS 2026 KYOTO MV 共通ビジュアル指針

全 21 体のキャラクター + キーアイテム + ロケーションから抽出した共通の美術ガイドライン (ver.4)。 すべての生成画像はこのスタイルに沿うこと。

様式タグ(プロンプト用)

  • sepia aged-paper background
  • edo-period illustrated compendium style
  • cyber-jomon / mecha-edo aesthetic
  • semi-realistic 3D character render with painterly textures
  • bilingual labels in Japanese and English (subtle, info-graphic look optional)
  • IVS 2026 KYOTO branding small in corner (∞ logo + pagoda mark)

ベース層(紙)

  • CLAY (土色) / NATURAL (生成り) / WASHI (和紙) — 背景の主色
  • BURNT CLAY / INK BLACK / SUMI — 線画と陰

アクセント

  • VERMILION (朱) — 注目記号・印章・タグ
  • GOLD (金) — 主役のハイライト、神格化要素
  • INDIGO GRAY (藍鼠) / SLATE BLUE — 静かな深み
  • BAMBOO (竹色) — 環境のグリーン
  • ELECTRIC BLUE — テック・データ系の点的発光

カメラ・ライティング

  • 基本: 正対 or 1/4 振り、図鑑的に主役を中心配置
  • 動的ショット: 低めの逆光、リムライト、走り出しのスナップ
  • 神格化フレーム: 仰角+後光(リム or 完全逆光)

重要な世界観

起業家成長譚 × 再開発地区東京 × 京都の宗教美術 × IoT

  • 物語の出発点は実在の東京とは異なる地理破壊型の架空東京(再開発地区、東京タワー・スカイツリー等のアイコン建築が乱立)
  • 仏教図像(金剛力士、阿修羅、帝釈天)が起業家の精神面を象徴
  • 縄文・古墳のアーキタイプ(ハニワ・遮光器土偶)が "起源" としての主人公性
  • 現代スタートアップの問題(バグ、フィードバック、競合、市場ボラ、上場、買収、規制、VC)を擬人化
  • ver.4 の新要素:契りの印(共同創業の朱印、半月型の対)/機構式東証宮(東京証券取引所が脱皮した搭乗甲冑=上場メタファー)/寿限無の大群(次回作へ続く真のラスボス)

やってはいけないこと

  • 写実フォトレアル(このスタイルでは不適合)
  • アニメセル画調(仕様外)
  • 派手すぎる蛍光色のみ画面
  • IVS 2026 KYOTO ブランディングを大きく前面に出すこと(さりげなく小さく)

プロンプト雛形

A character design sheet style cinematic shot of <CHARACTER>,
<ACTION/POSE>,
sepia aged-paper toned, painterly 3D render with edo-compendium textures,
cyber-jomon / mecha-edo aesthetic,
<LIGHTING>,
shot on <LENS>,
subtle IVS 2026 KYOTO seal in corner,
muted earth palette with <ACCENT_COLOR> highlights.
Colophon

以上、図鑑余白に記されし全15章の覚え書き。
本物語は MV のために編まれた虚構であり、すべての登場人物は、現代起業家の心の中に住む者たちである。
ラスボス寿限無の大群の設定は構築中。続きは次回作にて。